元銀行員のソーシャルレンディング投資実践録

元銀行員の立場からソーシャルレンディング投資を主力として投資信託、仮想通貨を含めたポートフォリオ構築を目指します。


私slbkは、既にトラストレンディングの債権担保付ローンファンドに投資を行っていますが、改めてトラストレンディングを運営する「エーアイトラスト株式会社」について調査していきましょう。
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まずは、財務諸表についてです。
エーアイトラスト社のHPを閲覧すると、平成26年6期~平成30年6期までの一部の財務内容が掲載されています。
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HPへの掲載は、①資本金、②純資産、③当期純利益の3項目のみで、把握できる財務内容は限られているものの、②純資産の推移 26/6期 99,948千円→28/6期111,035千円→30/6期170,985千円とこの5年間、純資産を減らさずに積み上げてきていることがわかります。


着目したいのは、当期純利益の推移で、26/6期 10,169千円→28/6期10,020千円→29/6期9,702千円→30/6期50,247千円と、直近期で増益となっています。


ここで注意しなければいけないのは、当期純利益には、固定資産の売却等の特別利益が含まれており、一時的な資産の売却や保険解約等により、利益調整することも可能だということです。


私が知りたいのは、この当期純利益が「本業」の儲けから発生しているものなのかということです。


ここで、平成29/6期決算には反映されておらず、平成30年6期決算に反映されていることを考えてみます。


思い当たるところと言えば、「営業者報酬の増加」です。昔は、営業者報酬1%程度だったと記憶していますが、今では本案件を含め営業者報酬3~4%をとるようになっています。


同社収益に対する影響を考えてみると営業者報酬の値上げによって、同社HPの累計成約金額(3年間):約66億円÷3年×営業者報酬差(営業者報酬増加後3~4%-営業者報酬増加前1%)=44,000千円~66,000千円の増収効果が予想されます。


たまたまでしょうが、30/6期の対前期比での増収額約40,000千円とも概ね近い数字になりますね。増収にあわせ、人員増員等の営業経費もかけていることを考えるとやはり、40,000千円ほどの増収というのは納得できるところです。


さて、得られた情報等を踏まえるとトラストレンディングを運営する「エーアイトラスト株式会社」は、現状においては堅実な経営ができている と私slbkは考えています。


次に話を本案件に戻しましょう。


案件概要には、(ト社)「本借入人は、福岡県にあり土木建築、土地開発、建設・設計、不動産売買の事業を行っている企業で、このたび福岡県内のある山林地域を大規模(slbk注:東京ドーム8個分)な開発用地として取得する予定です。」とあります。

東京ドーム1個分が約1万5千坪なので、8個分というと約12万坪もの開発案件となります。
山林エリアを整備して、郊外型ベッドタウンとして町を造成するプロジェクトということです。

担保保全は、極度額12億円の根抵当権を設定するようですね。

案件概要に注記があるように、
(ト社)「極度額は不動産評価額とは異なります」

しっかりと注記して頂きありがとうございます。

ここでまた一般的なお話。ご存じの通り、「山林」は「宅地」に比べて極端に担保評価額が低いです。
開発許可、伐採、造成等を相当の費用をかけて行わなければいけないからですね。

つまり、宅地造成が完了するまで、本件の担保評価は、極度額12億円よりも極端に低い可能性があるということです。
極度額12億円に対して、今のところのファンド募集額約9億円か、「9億÷12億×100=LTV75%だな!」なんて思ってはいけないということです。 

よって本担保が保全効果を発揮するのは、「せっかく宅地を造成し終わったのに、買主の都合により、キャンセルされ、返済の目途がつかない」等の工事完成の終盤にかけてだと思われます


また、根抵当の極度額の設定に特段のルールはありませんので、各金融機関等により異なるとは思いますが、銀行では、根抵当権の極度額 > 担保評価 となるように設定するのがセオリーでした。


つまり、土地に根抵当権を設定するのはプラス要素であるが、現況で山林であることから担保保全はあまりとれていないと思って投資する方が良いということです。


続いて、私の好物であるエグジットについて


(ト社)「大和ハウスグループ傘下の不動産業者に本件土地を売却する方針で調整を進めております。」とあります。


グループ傘下とはいえ企業の固有名詞を出して掲載するということは、かなり具体的なエグジットありきのファンド募集だということだと私は考えています。


大和ハウスの有価証券報告書や、経営計画をみると「地方中核都市郊外の案件開発の促進」の旨が記載されており、裏付けもとれます。


ということで、「トラストレンディングの財政面OK!、保全面はイマイチかもしれない↓、だけれど個別案件の成功率 概ねOK!」ということで、総合的にみて投資するという判断となりました。

ここから余談ですが、当期純利益が出ている=事業者リスクが低いに直結するわけではありません


主観になりますが、法人融資を担当していても、突然破たんする企業は、黒字経営の企業の方が多かったからです。


借入金を含めた負債のバランスと、負債の返済スピードを把握しなければ、本当にその企業が継続企業として問題ないかは判断できないのです。


ソーシャルレンディングは詳細な財務の把握が不可能ですので、この判断まではできません。


しかしながら、情報公開がされていないからといって諦めるのではなく、「自分なりの予想」をした上で、投資していくことが重要だと私slbkは考えています。


短期的には、盲目的に資金を投下していっても、短期的には「自分なりの予想」を立てずに投資している人と同じリターンとなると思いますが、今後とも中長期的にソーシャルレンディングに投資をしていくとすれば、「自分なりの予想」をしてきた人と、そうでない人とでは、リターンが違ってくると私は考えています。


十分に調査・分析しても、経済環境の変化等「予想し得ない出来事」は、往々にしてありますし、限られた情報の中ではその予想さえも机上の空論になってしまうことの方が多いかもしれません。


でも、投資前にものの5分~10分で良いと思います。

少し調べて企業や案件について仮説をたててみるだけで、新たな気づきが得られるかもしれないのです。



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